リベンジ!(仮題)
エレベーターの小さな密室。
いつも通りの日常を送っているだろう人の中で、私はひとり非日常なこの状態を生きている。


15階で止まったエレベーターを飛び出すと、そのまま和哉が勤めている会社へと走った。


なんとなく感じていること。
うすうす気づき始めたこと。


その全てが嘘であって欲しいと願う私に、神様はさらに追い討ちをかける。



「当社にはそのようなものはおりませんが…」



受付で、私よりも若く綺麗な女性が小さな声で欲した言葉に、目の前が真っ暗になる。



「うそ、営業の鈴木和哉ですよ!?日本で1番多い苗字だからいるでしょ!?働いているでしょう!?あ、もしかしてもう営業だから外にいるんじゃないの?」


自分でもどうかしてると思う。
なにわけのわかんないこと言っちゃってると思う。


けど、そんなことよりもなによりも、この状況の方がどうかしてる。


< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop