リベンジ!(仮題)
「申し訳ありませんが、弊社には鈴木和哉というものはおりません」


私が喚こうが、動じることなく彼女は淡々と答えた。


「会社がだめなら家…」



さっき駆けてきた道を逆に進む。
なかなか来ないエレベーターにイライラして、下矢印のボタンを連打する。



ダ・マ・サ・レ・タ



頭によぎるのは、最悪最低な言葉。



「まさか…」



だって私たちは婚約した。ダイヤの指輪ももらった。結婚するから昨日で仕事も辞めた。今週末には新居に引っ越しだってする。


騙されたなんてことあるわけないじゃない。






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