蝶鬼姫
それでもまだ咲夜は少しずつ
近づいて来る

「言うわけないじゃん
だってあんたの怖さは
分かってるつもりだ」

私は言いながら後ろへ少しずつ
足を動かす

背中が、壁に当たったのが
分かる

「ならいいんだ」

咲夜がそう一言言い

右耳が何かにかすった
咲夜の腕だ

目だけを右に動かす
壁に少しヒビが入ってる

これが噂の壁ドンか…?
なんてバカなことを考えながら

「相変わらずのバカ力?」

と言い、私は鼻で笑う

しかし咲夜は表情を変えず
話を続ける
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