ブラコンVSシスコン
「つーか、お前、遅いだろ!」
遼がわたしに気づくと、そう顔をしかめた。
「は? 遅いのはあんたでしょ? 今、何時だと思ってんのよ!」
「それ、まんまお前に返す。45分遅刻ってお前……」
「ちょっ……待ち合わせは1時でしょ?」
何? 45分って……。
「はぁ? 12時半だろうが!」
「違っ……わたしは1時って聞いたもん!」
間違いなく1時ってさつきは言ったよ?
「1時? オレは……って、とにかく行くぞ!」
急に体が引っ張られて、わたしの腕は遼の手に捕まっていた。
初めて触れられたお兄ちゃんとは違う男の人の手にドクンと大きく心臓が鳴った。