ブラコンVSシスコン
そんなに遠くない劇場までの道のりがとても長く感じる。
繋がれているそこが何だか熱くて仕方がない。
言葉は交わさないものの、わたしの歩調に合わせるようにゆっくり歩いてくれてるのも感じ取れるから調子が狂う。
一番最初に遼に会った時に中学生なんて言われたのが気に入らなくて、今日は少しでも大人っぽくみせるためにスカートにミュールを合わせてきた。
履きなれないミュールに足がもつれそうになる。
でも……あんな屈辱はもうイヤだ。
全ては自分の為。
そう、思って選んだこの服も、結果、遼の優しさが汲み取れてしまうから性質が悪い。