ブラコンVSシスコン
「嫌い?」
「ううん。好き……」
遠慮がちな声が聞こえて、慌てて答える。
何でわたしが好きな紅茶、知ってるのよ……。
ここには数種類の紅茶があるのにも関わらず、アップルティーを選ぶなんて……。
それもまた、うれしくてにやけそうになる口元を締める。
「そっか、よかった……何か、ごめんな……さつきが勝手なことして……」
「いや、いいんだけど……」
遼はわたしが来るって知ってたの?
さつきじゃなくてガッカリだった?
聞きたいことは山ほどある。
でも……いつもみたいに遼に話せない自分がここにいる。