ブラコンVSシスコン
……そうだよね。
こんなガキじゃ、相手にもなんないよね?
お金も知識も大人の魅力のカケラもないわたしに遼が相手するわけがない。
一人でドキドキしてたのが、バカみたいじゃん。
少しでも大人っぽくしようって悩んだこの服装だって、遼は気づいてないだろうし……。
何一人で舞い上がってたんだろうか……。
こんなキレイな人じゃ、太刀打ちなんてできない。
「わたし……帰ります……」
自分の分のお金を差し出して席を立つ。
「おい、ちょっと……」
「今日はありがとうございました」
ペコっと頭を下げてわたしはその場を後にした。