ブラコンVSシスコン
そういえば、そうだ。
あの日のことは誰にも話していない。
でも、考橋に見られていたなんて……。
「で? 何があったの?」
何があったって……どこからどう話せばいいの?
それすらわたしには分からない。
でも、順を追って話すしかない。
お兄ちゃんが好きだったこと。
お兄ちゃんに彼女ができて、その彼女の兄貴が遼だってこと。
そんな遼のことが嫌いだったはずなのに……好きになってたってこと。
その気持ちを言えなかったのは、遼に彼女がいて、自分の気持ちを認めたくなかったから――。
言葉が繋がらない話を柚奈はうなずきながら聞いてくれた。