ブラコンVSシスコン
「今日、改めてそう思った。やっぱり智くんは美紅ちゃんが好きなんだなって……」
「ちょっ……どうしたの? お兄ちゃんはあんたの彼氏でしょ? ……お兄ちゃんと何かあった?」
淋しそうなさつきの横顔。
お兄ちゃんとさつきは上手くいっていたはず。
最近、わたしは二人のことが気にならないから、二人の仲を壊そうなんて思ってない。
最も、さつきのことは気に入らないけど……。
「美紅ちゃんはいいよね……智くんにもお兄ちゃんにも好かれてて……」
「はぁ? 何言ってんの?」
お兄ちゃんはともかく、遼は違う気がする……。
「ねぇ、美紅ちゃん、わたしに返してよ……」
「え?」
「智くんとお兄ちゃん、返してよ!」
さつきがキッとわたしを睨む。