ブラコンVSシスコン




「……わたし、さつきとちゃんと話さなきゃいけない。だから、今日はうちに泊める。明日、学校にちゃんと連れてくから……」


「……そっか、分かった」



大きな深呼吸が聞こえて、遼が言う。



「迷惑かけてごめんな。よろしく頼むわ」



安心しきった遼の声に笑みがこぼれる。





きっと……さつきの行きそうなところを探し回ったに違いない。


あんなに切羽詰った遼の声を聞いたのは初めて。


こんなふうに一生懸命になれるのはきっとさつきだから。



めちゃくちゃ愛されてるじゃん。


なのに、何でそんなに不安になるわけ?


何で遼の愛を分からないわけ?








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