ブラコンVSシスコン




電話を終えてわたしたさつきを見た。



「遼、すごく心配してたよ? 息、上がってた。ね、これでもまだ自分は愛されてないって思うの?」



多分……多分だけど、さつきは両親の離婚で孤独感に襲われてるんだと思う。


両親がいなくなって、お兄ちゃんまでいなくなって……。


それが辛くて怖くて……。


わたしはどうしてあげたらいいんだろう……。



「……ごめん……わたし、もう寝るね……」



わたしの問いかけに答えることもなく、さつきは布団の中に潜り込んだ。




ねぇ、さつき、

遼の愛をちゃんと感じ取ってくれた?


それとも……――。







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