ブラコンVSシスコン




「本当、オレ、何やってんだろって昨日からずっと思っててさ……結局、家族バラバラになるのはもう、どうしようもないんだって……」



遼が頭を抱え込んでうつむいた。


遼と出会って初めて見る弱い姿。


ギュッと胸が締め付けられる。



「遼は考えてるじゃん」



わたしは無意識のうちに遼のことを抱きしめていた。


いつもは強い遼がとても小さくて弱く見えて……。


わたしには難しいことなんて分からない。


どんな言葉をかけてあげればいいのかも分からない。



でも……少しでも遼が落ち着いてくれるなら……
わたしはこうやって遼のこと、包んであげることならできるよ?








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