ブラコンVSシスコン
「じゃぁ、何で守ってやんねーんだよ!」
悔しそうに言葉を吐き出すお兄ちゃん。
「え?」
「離婚のこと。聞いた。でも、お前はさつきと離れて暮らすんだって? 相当なショックで落ち込んでた。何で勝手にさつきから離れてくんだよ!」
怒鳴るように出した声と震える手。
お兄ちゃんがどれだけさつきのことを思ってるのかが分かる。
こんな感情的なお兄ちゃん、初めて見たかもしれない。
「……勝手じゃねーよ。オレだって考えた末の結論なんだよ。さつきのことだって、お袋のことだって、ほっとけるわけねーだろ!
でも、生活のことを考えたら、こうするしかなかったんだよ!」
「でも、さつきは……」
「あいつだって、もう、高校生だ。そんなことぐらい分かるはずだ。それに……守ってやるのはお前なんじゃねーの?」
遼がチラッとお兄ちゃんを見た。