ブラコンVSシスコン




「思い当たるのが美紅ちゃんしかなくてさ。ケンカでもしたのかなって思って」



カチャっと音がしてさつきがカップに口をつけた。


それにつられるようにわたしもカップを取る。


りんごの匂いが口中に広がる。



「わたしさ、美紅ちゃんもお兄ちゃんも好きだから仲良くしてほしいっていうか……まぁ、これはわたしの我が儘なんだけど」


「……うん」


「もし、ケンカとかだったら仲直りできないかなと思って。お兄ちゃんもハッキリしないから、わたしが智くんに頼んで勝手に今日の計画しちゃったの」


「そう……だったの?」



これは……さつきとお兄ちゃんが仕組んだものだったの?


イヤ……これはひとつの試練なのかもしれない。



さつきが与えた試練。








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