ブラコンVSシスコン
「……わたしもついてく」
「はぁ?」
髪を触っていた手を止め、鏡を見ていたお兄ちゃんが振り向いた。
「そんなの、ダメに決まってんだろ!」
「ヤダ! だって、今日はお兄ちゃんと買い物行くって約束だったでしょ?」
「だから、ごめんって言ってるだろ? 今度、埋め合わせするから……」
「ヤダヤダ! 今日行きたいの!」
この際、買い物なんてどうでもいい。
今日、お兄ちゃんと会う、わたしの知らない女を見たい。
どんな女なのか、どういう関係なのか……。