今日も素直になれません。【完】
『家、入ろう。涼太郎』
そういう芹南はほんとに寒そうで。
あー、俺バカだなぁ…。
『あ、ごめんね芹南。風邪ひいちゃうよね』
急いで中に入り、靴を脱ぐ。
なのに、芹南は靴も脱がず、下を向いて立ったまんまで。
『芹南、大丈夫?具合悪い?』
髪の毛でよく見えなくなった顔を覗き込む。
寒くて、具合悪くなっちゃったら俺のせいだし。大丈夫かな?
『…大丈夫…だよ』
そう笑う芹南は様子もおかしく、笑顔だって無理して作ったものだった。
芹南………。
ほんとは、全然大丈夫じゃないじゃん…………。