天の川のほとりで

「おはようございます!」



 すぐに声をかけると、眠そうな表情でこちらを見てきた。



「あ、おはよう! 家内さんは毎日早いね」



 眠そうな目が途端に開き、柔らかく微笑む颯。

 この笑顔が見たくて、毎朝颯が来る時間に合わせているのだ。

 1日が始まる憂鬱さも、七海には吹き飛ばして貰える笑顔。



「レポートを今日中にまとめてリーダーに渡さないといけないので」



 そんな理由を取り繕い、本当はあなたに会いたかったから───は胸にしまう。

 寝癖のついた柔らかい髪をわしゃわしゃ掻くと、ほんのりシャンプーの甘い香りがした。



「真面目だなぁ。それが家内さんの素敵なところだよ」
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