届かぬ声を、君に。
*1*
恋心
「舞香! 早く部活行こうよ!」
雪の降る、寒い日。
私が帰りの支度をしていると、後ろの席から可愛い声がした。
「舞香! 早く部活行こうよ!」
「優花、ちょっと待ってよ」
大谷 優花(おおたに ゆうか)は、私の親友。
保育園の時からの仲で、いわゆる幼なじみってやつだ。
小学校、中学校と一緒で高校も同じところに進学して、同じクラスになった。
優花との間には、何か特別な縁があるんじゃないかな。
優花を待たせないように、急いでコートを着てマフラーを首に巻く。
「優花、お待たせっ」
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