届かぬ声を、君に。
_____あれから、響也とは一度も話していない。
彼女でもない子と逢い引きなんかする方が悪いじゃん。
樹里ちゃんが可愛いからって、ひどいよ。
仲直りしたいけど、謝りたくない。
私はこんなに、響也のこと好きなのに。
優花もいないし、心細い…………。
でも、響也は隣の席だからいつも近くにいる。
響也は私と話したそうにこっちを見ていることがあるけど、無視無視。
でも、その時の響也の目がなんだか子犬みたいに潤んでいて、少し誘惑されてしまうんだ。