届かぬ声を、君に。


放課後。


私が帰ろうとひとりで廊下を歩いていると、うしろから肩をつつかれた。


「……響也」


そこにいたのは、悲しそうな笑顔を浮かべる響也だった。


『舞香、ちゃんともう一回話そう』


それは、響也がくれた仲直りのチャンスだったのに。


私は、その手を振りほどいてしまったんだ。



このことを、後でどれだけ後悔するかも知らずに____。




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