届かぬ声を、君に。


そのまま家に一目散に帰った。


「ただいま………」


「あら、舞香。おかえり………って、舞香? どうしたの?」


私は、泣いていた。


響也には、何か理由があるはずなのに。


それを聞くのが怖くて私は響也から逃げている。



「舞香! どうしたの!」



お母さんが心配そうに私の顔を覗き込む。


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