届かぬ声を、君に。



「響也と……ねっ、喧嘩……したの………」



お母さんは、何も言わずに私の頭を撫でてくれた。


その優しさが心に染みて、私は小さな子供のようにわんわんと泣き続けた。




そして、落ち着くと、お母さんにすべてを話した。



お母さんは、頷きながら聞いてくれた。



「そっか。辛かったね、舞香………」



「でもね、響也……何か、訳がありそうなんだ。……ずっと何か言いたげで」



でも、聞くのが怖くて。


< 104 / 125 >

この作品をシェア

pagetop