届かぬ声を、君に。



樹里ちゃんは、響也のきょうだいだったんだ。





「し……知らなかった………」



響也の彼女なのに。




知らなかったなんて、恥ずかしい。





「そっ………それで、響也はっ!?」




大事なことを忘れていたことに気づいて、私ははっと我に返った。



「あっ………今、治療を受けてる………。意識がないって。このままじゃ、危ないって…………」





< 113 / 125 >

この作品をシェア

pagetop