届かぬ声を、君に。




しばらく待合室で待っていると、樹里ちゃんがきた。



「舞ちゃん! 治療、終わったって」



どうしようもない緊張感が私を襲う。






「とりあえず、危険な状態は越えたって………。でも、目を覚まさないって………」



いつ目が覚めるかわからない。



もう一生目を覚まさないかもしれない。




樹里ちゃんは、そう言って泣き崩れた。




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