届かぬ声を、君に。




そして、二日後。


風邪で休んでいた優花が、やっと学校に来た。


「はぁ......お腹空いた」


昼休みになると、私は弁当箱を開ける。


優花と喋りながら、ゆっくり卵焼きを口に入れる。


本当は響也に会いに屋上にいきたかったけど、優花がいるからやめた。




「ねぇ、優花~」



「なぁに?」



「あのね、私......好きな人ができたの」


うつむいて照れながらそう言うと、優花は目をまんまるにして驚いていた。


口いっぱいにご飯を詰めこんでいる優花は、なんだかリスみたい。


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