届かぬ声を、君に。
私が向かったのは、屋上。
ちょうどもうすぐ日が沈む頃で、きれいな夕焼け空が見えた。
私の悪口を言った二人の目が、頭から離れない。
私を批判する、軽蔑の眼差し。
もう、やめよう。
ソロは棄権して、吹奏楽部もやめる。
樹里ちゃんがソロをやった方が、演奏会も成功するしみんなが納得する。
私だって、ソロがやりたかった。
憧れてた。
でも、今の私にはソロをやる勇気はない。
樹里ちゃんは慰めてくれたけど、樹里ちゃんだってソロがやりたかったに違いない。
ショックで、涙しかでなかった。