届かぬ声を、君に。
すると、頭に何か温かいものが触れた。
私がびっくりして顔を上げると、それが響也の手なんだとわかった。
え?
私、響也に頭を撫でられてる?
そう考えたらなんだか恥ずかしくなって、私はまた俯いた。
すると、響也が私の肩をつついてくる。
私がまた顔を上げると、響也は小さく笑った。
なんで響也、笑ってんの?
『お前、何で泣いてんだよ』
『響也、何で笑ってんの』
私の手話と、響也の手話が重なった。