届かぬ声を、君に。



『いや.......お前が泣いてたから』



泣いてたから、笑うの?


ひどい......。


響也と話してると、嫌なことを忘れられる。



『で、お前はなんで泣いてんだ?』


響也は首をかしげながら手話でそう言った。




『私にも、いろいろあるのよ』



でも、誰かにさっきあったことを聞いてほしくて。


私の苦しみを、知ってほしくて。



私は、全部を響也に話した。



< 40 / 125 >

この作品をシェア

pagetop