届かぬ声を、君に。
昼休み。
今日は優花が彼氏と弁当を食べるらしいので、私はまた屋上へ行った。
響也、いるかな......?
ガチャ、と扉を開けると、いつものようにやっぱり響也がいた。
すると、響也が振り向いた。
そしてにこっと笑って私に手招きすると、また弁当を食べ始めた。
なんで、私が来たことが分かったんだろう。
響也の顔を見たら、なんだか泣きそうになってしまった。
なんでだろう。
響也のとなりに座ると、不思議と気持ちが落ち着く。