届かぬ声を、君に。
『お前、ソロのこと 結局どうしたんだ?』
「それが......まだ決めてないの」
この前、響也は相手の唇の動きで言ってることが大体はわかると知って、私は響也と喋るときはあんまり手話は使わなくなった。
『まぁ、じっくり考えろよ。でも、念のために言っとくけど......後悔しないようにしろよ』
後悔しないように、か..........。
そう......だよね。
今やらなかったら、あとで絶対後悔する。
なんであの時、やらなかったんだろうって。
「ありがとう、響也」
そう言いながら、"ありがとう"の手振りをした。