届かぬ声を、君に。




「姉ちゃん、宿題やってー」



春樹の間抜けな声で、ふと我に返る。


頭のいい春樹でも、わかんないことがあるのかな。



「春樹ー! 宿題は自分で………」



お母さんがキッチンから口を出してるけど、私はそれをさえぎった。



「はいはい、どこが分かんないの?」



お母さんは呆れたような顔でこっちを見ている。



「もう。舞香は春樹に甘くしすぎなのよ」



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