届かぬ声を、君に。




その時。


ピロリン、と私の携帯のメールの着信音が流れた。


そのメールは、響也からだった。



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DATE.3/26 13:27

From.坂原 響也

Sub.ごめん


今日、用事ができて
演奏会行けなくなった。

ごめん。

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「舞香? どうしたの?」



携帯を持ったまま固まる私に、愛衣が不思議そうにそう言った。


「あ.........うん、大丈夫」



そっか.........。


響也、来れないんだ.........。



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DATE.3/26 13:34

To.坂原 響也

Sub.分かりました


そっか。

残念だけど、しょうがないよね。


ソロ、頑張るね!


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「ねぇ、あのさ。優花、出たくても出れなかったんだから。


私たちが、優花の分も頑張ろうよ」


私が一年生のみんなにそう言うと、みんな笑顔で頷いてくれた。





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