届かぬ声を、君に。
私は"好き"の手振りのまま目をぎゅっとつぶってフリーズしていた。
返事を聞くのが怖くて。
断られたらどうしよう、と思って。
響也からの返事は、目を開けなければ分からない。
「俺も、舞香のことが好き」
私の耳が確かにとらえたその言葉に、私は驚きを隠せなかった。
『響也、すごく発音きれいじゃない』
とても難聴の人が発した言葉とは思えない、きれいな発音。
というよりも。
今、"俺も、舞香のことが好き"って言ったよね。
舞香って、私のことだよね。
それじゃあ.........。