届かぬ声を、君に。
「優花!」
私がそう叫んでも、優花は振り返らない。
「優花! ねぇ、何か私に隠してるでしょ? どうしたの!?」
私がそう言うと、優花は振り返った。
「..........私が、舞香に隠すことがあると思う? 何も隠してないよ」
じゃあ、今、急にしゃがみこんだのは、なんで?
そう聞きたかったけど、できなかった。
優花が、今にも泣き出しそうな顔で私の方を見ていたから。
「優花。どうしたの.........」
「やめて!」
肩に触れようとすると、その手を振り払われた。