雨降る夜はあなたと共に
染めたにしては綺麗な金髪、その隙間からチラリと見えるピアスはなぜか男に似合っている。
そんな男はパチりと部屋の電気をつけた。
暗がりに慣れていたので目がチカチカする。
「俺はさ、琴里(ことり)の彼氏なんだから甘えていいんだよ?」
「あなたに甘えるくらいなら外に放り投げられた方がましです。」
つれないなぁ、と口を尖らせる男を睨む。
「仕事は」
「終わらせてきたよ、マッハで」
「彼女の誘いを断ってまで行ったくせにこの時間ですか」
時刻は1時過ぎ
電話をかけたのは朝の8時だ
どんだけ仕事バカなんだ、とそっぽを向く