守ってダーリン!
かっこいい人の無反応って、恐ろしく怖い・・・。

私はビクビクしながらメニュー表に目を通す。

メニューなんて、もう頭の中に入っているけれど、何もしていない状態が耐えられず、無意味に視線を下に落とした。

ほどなくしてオーダーを取りに来てくれた伊佐子さんに、それぞれがメニューを読み上げる。

玲奈と龍平くんはおそろいでドリアを、私と市谷さんも、同じくそろって本日のパスタを注文した。


(・・・メニュー、かぶった・・・。)


だって、本日のパスタは、私の大好きなジェノベーゼだったから。

誰かに責められたわけでもないのに、私はなぜか、心の中で言い訳をした。

料理を待つ間に、龍平くんは私に市谷さんの紹介をする。

「里佳ちゃん、この人、オレの先輩で市谷直哉さん。

一見とっつきにくいけど、すげーいい人だから。

そんなに怖がらなくて大丈夫だよ。」

怯えているのに気づいていたようで、龍平くんはそう言うと私ににこっと笑いかける。


(いい人感、あんまりないんだけど・・・。)


そう思いながら、右横に頭を傾げると、私は軽く会釈した。

市谷さんも、そんな私に視線を向けて、軽く頭を下げてくれる。

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