守ってダーリン!
「里佳ちゃんはおすすめですよ。かわいいし、料理もできるし。」


(気づいてないと思うけど・・・。

龍平くん、これ、完全に拷問だよっ!!)


乗り気じゃない人に、無理矢理おすすめされる私・・・。

なんだか虚しくて、つらくなる。

「彼女だって、そういうつもりは全くないんだろ。人の迷惑考えろ。」

市谷さんが、龍平くんにピシャリと言い放つ。

けれど、龍平くんはひるまない。

「里佳ちゃんはどう?市谷さん。」


(ええーーーーーっ!?そんな振り方するの!?)


「ええと・・・あの・・・。」

なんて答えたらいいのだろう。

かっこいいけど怖い、なんて、本人の前では言えないし・・・。

頭の中がパニックになるばかりで、いい返事が見つからない。

「バカか、お前。

この状況で、イヤだなんて言えるはずがないだろ。」

市谷さんは、そう言ってため息をつく。

「え?里佳ちゃん、イヤなの?」

「い、イヤっていうか・・・。」


(ああもう!龍平くんの無邪気さが、いまは憎い・・・。)




< 12 / 330 >

この作品をシェア

pagetop