守ってダーリン!
結局、市谷さんからは「ちゃんと言うから」と宣言されたまま、告白という告白は受けていない。

もちろん、私を想ってくれている気持ちは伝わっているけど、市谷さんは後輩にも「彼女じゃない」と説明している。

彼女として振る舞うわけにもいかず、どうしようかと悩んでいると、サンドイッチを飲み込んだお姉ちゃんが「そうそう」と言って代弁するように話し出す。

「まだ、ちゃんと付き合ってるってわけじゃないみたいですよ。」

「えっ?そうなんですか?」

「はい。お互いに好きみたいですけど。」

「そうですかー。なんだー、ダメだなあ、アイツ。

ちゃんとしてないのか。すみません、倉木さん。」

そう言って、相沢さんは私にぺこりと頭を下げる。

「い、いえ・・・。」

「私から、何か言っておきましょうか?」

「いえ、そんな!大丈夫です。」

私と市谷さんの恋愛沙汰に、彼の上司を巻き込むわけにはいかない。

「タイミングの問題ですよ、きっと。もう少し見守りましょう。」

お姉ちゃんの言葉に、隣にいる玲奈もうんうんと頷く。

相沢さんはちょっと悩んでいたけれど、「そうですか・・・そうですね」と言って、見守ることに納得してくれた。


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