守ってダーリン!
「見捨てないでやってくださいね。あんなんですけど、いいやつですから。」

「こ、こちらこそ・・・。」

戸惑いながらそう返事をしたタイミングで、龍平くんがにこにこしながら私たちの元にやってきた。

「里佳ちゃん、市谷さんのところ行かないの?」

「えっ!?あ、う、うん・・・。」

同じ会場にいるのだし、話したい気持ちはもちろん私もあるけれど。

市谷さんは、今日の主役になるわけで。

さっきから時々見てはいるけれど、だいたい誰かと話をしている。

「里佳ちゃんのことチラチラ見てるくせに、自分から行かないんだよねー、市谷さん。

今日は後輩が多いから、多分かっこつけてるんだよ。」


(そうなのかな?)


私もチラチラ見ていたけど、彼の視線には全く気付いていなかった。

龍平くんのことだから、ポジティブに解釈しているような気がして、その情報に若干不安を感じてしまう。

「里佳ちゃんから行ってあげてくれないかな?喜ぶから。」

「えっ!?で、でも・・・。」

それはなんだか気が引ける・・・。

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