守ってダーリン!
そう、意を決して顔を上げたとき、市谷さんの後ろを通り過ぎようとした男性と、私はバチリと目が合った。


(あ・・・。)


私は自分の記憶をたどる。

確か・・・面会のとき恥ずかしい場面を見られてしまった、龍平くんレベルに怖いもの知らずな、市谷さんの後輩だ。

その男性がにっこりと笑ってくれたので、私も慌てて会釈を返す。

すると、後輩の存在に気づいた市谷さんは、首元をかきながら、その男性を引き留めた。

「あー・・・岡本。ちょっと。」

「何ですか?」

岡本、と呼ばれた後輩の男性は、そう言って足を止めると、市谷さんの顔を見た。

「お前、里佳さんと話がしたいとか言ってただろ。」

「はい、そりゃもちろん!」

「なら、せっかくだから話したらどうだ。あんまり、会うことなんてないんだし。」


(え?)


「マジですか?市谷さんの許可が下りるなら、ぜひ!」


(え、え!?)



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