守ってダーリン!
「市谷の、どこが好きなの?」

「えっ!?」

酔っぱらっているせいだろうが、無遠慮な視線で、ストレートな質問を投げかけられる。

「彼女の前では甘えるタイプだったりするのかなー、アイツ。」

「いえ、あの・・・。」


(・・・どうしよう、こういうの、すごく苦手なんだけど・・・。)


岡本さんが「倉木さん困ってますよー」となだめてくれてはいるけれど。

酔っぱらいの先輩を止める力はないらしく、その後も私はなんやかんやとからまれ続ける。


(困ったな・・・。市谷さん、助けにきてくれないのかな・・・。)


彼を求めるように、周囲をぐるりと見回した。


(あ・・・。)


見つけた彼は、お姉ちゃんと話をしていた。

その表情は柔らかくて、どこか照れたような顔をしている。

私のことなんて、全く気にもかけていない様子の彼に、寂しさや悲しさとともに、怒りの感情がこみ上げた。


(私のことは岡本さんに任せたのに・・・お姉ちゃんとは話せるの?)


ぎゅっと、唇を噛みしめる。

その後、私の状況に気づいた龍平くんが助けに来てはくれたけど。

市谷さんに対する「なんで?」という気持ちが、私の胸に渦巻いていた。
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