守ってダーリン!
21時を過ぎたところで、祝いの席はお開きとなった。

みんな、ワイワイと店の外に流れ出す。

「里佳ちゃん。じゃあ、悪いけどオレ達すぐに帰るから。」

「ちょっとお腹が張ってきたー」という玲奈をタクシーに乗せた龍平くんが、そう言って私に手を振った。

「うん。気を付けてね。」

二人を見送り、テーブル周りを片づけて帰り支度を整えていると、トイレに行っていたお姉ちゃんが「ごめんー」と言いながらホール内に戻ってきた。

「里佳、帰りは市谷さんに送ってもらうんでしょ?

私、先に帰ってるからね。」

「え?でも・・・。」

「いいから。私、これからカズくんのとこ行く予定だし。

里佳も、なんなら市谷さんのとこ泊まってきちゃえば?」

うふふ、と笑う姉に、なんだかむっとしてしまう。

「・・・そんなことしない。」

「なんでー?もういいじゃない。里佳から、好きって言っちゃえばいいのに。」

「本当に・・・いいのっ!」

強い口調で言った私に、お姉ちゃんは驚いたような顔をする。

「・・・ケンカでもした?」

「・・・違うけど・・・。」

いつもと様子が違うだろう私を、お姉ちゃんは不思議そうに見つめる。

「そっか・・・まあ、泊まるのはどっちでもいいけどさ、とりあえず私は先に帰るね。」

< 162 / 330 >

この作品をシェア

pagetop