守ってダーリン!
あれから一か月。

快気祝いの帰り道、やっとお互いの想いを伝い合えた私たち。

あの後、市谷さんは私を家まで送ってくれた。

別れ際、「忙しくなるから、あんまり会えないかもしれない」と言った後、「せっかく両想いになれたけど」と切なそうに呟いた、彼の顔を思い出す。

その言葉通り、この一か月、市谷さんと会えたのはたった一度だけだった。

しかも、早朝のファミレスで会うという、なんともさわやかな朝食デート。

提案されたときは「朝!?」と驚いてしまった私だけれど、なんとかして会う時間を見つけてくれた彼の気持ちは、私はとてもうれしかった。

そんな彼との早朝デートは、新鮮で貴重で、とても楽しい時間ではあったけれど。

やっぱりもっと、ゆっくり会って話がしたい。

もっとずっと一緒にいられたらいいのになって、心の中で願っていた。

だから明日は。

一日ずっと一緒にいられる、私にとって、待ちに待った両想い後の初デート。

「そっかー。なんだかいろいろあったしねえ。たっぷりラブラブしておいで。」

お姉ちゃんが「うふふ」と笑う。

そんな姉の言葉に、少し恥ずかしくもなるけれど。

それを上回る嬉しさで、私は素直に「うん」と頷く。


(楽しみだな・・・何着て行こう。)


ほんのり赤く染まった豆腐をすくいながら、頭の中でクローゼットの中を吟味する。

口の中で、はふはふと柔らかい熱を冷ましながら、私は明日のことを考えて、再び頬をゆるませた。
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