守ってダーリン!
青空の下。

私を乗せた市谷さんの車が、心地いいスピードでゆるやかな坂を上っていく。

片道通行の窓に映る景色は、まるで森の中のトンネルを潜っているようで、木々の隙間から見える空の青さが、なんだかとても清々しい。

「牧場なんて、学生の時以来だな。」

ハンドルを操作しながら、市谷さんが呟く。

「そうなんですか?」

「ああ。サークルの仲間で来たような覚えはあるけど。それぐらい。」

「そうですか・・・楽しいですよ!

って言っても、今日のところはまた、お姉ちゃんの受け売りですけど・・・。」

昨日、鍋をつつきながら教えてもらった、お姉ちゃんおすすめのデートスポット。

今は寒いから空いているし、癒されるからおすすめだよ、と、訪れた際のスマホ写真を見せながら、私に牧場のことを教えてくれた。

「そう。本当に仲がいいな、里佳のとこは。」

前を向いたまま、優しく笑う市谷さん。

「そうですね・・・ずっと一緒だし・・・。

あ、そういえば市谷さんは、ご兄弟っているんですか?」

「ああ。1コ上の兄貴がひとり。顔は似てるけど、性格は正反対だ。」


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