守ってダーリン!
「え?正反対って・・・。」

「底抜けに明るくて人当たりがいい。仕事は同じく、警察官だけど。」

「そうなんですか・・・。」


(市谷さんの顔で底抜けに明るいって・・・うーん、想像できない・・・。)


「なんか、会ってみたいです。」

全くイメージが出来ない私は、ポツリと思いを口にする。

「ああ。兄貴はわりと近くに住んでるから。

仕事が落ち着いたら、会ってみる?」

「わ、はい!」

市谷さんの家族に会えるなんて。

『彼女』として与えられた特権のような気がして、私はうれしくて弾んだ声で返事する。

けれど、市谷さんは何かを思い出したのか、急に考え込むように「あー・・・」と唸るような声を出す。

「どうしたんですか?」

「いや・・・ちょっと、肝心なことを思い出した。

結婚して子供が出来てから、だいぶ落ち着いたみたいだけど。

兄貴は基本、女癖が悪いというか。・・・心配だな。」

< 173 / 330 >

この作品をシェア

pagetop