守ってダーリン!
言ってることがもっともなのはわかるけれど。


(そんな言い方、今しなくてもいいのに・・・。)


私は悔しさと悲しさで、少しだけ涙がこぼれそうになる。

「・・・すみませんでした・・・。」

それだけ言って頭を下げると、私はホームに向かって歩き出す。

「おい、どこに行くんだ。」

「どこって・・・帰ります。」

市谷さんは、そんな私をしばらく見つめると、またひとつため息をつく。

「送っていく。オレの家、ここからすぐだから。

車とってくるから、改札出たところで待っててくれないか。

5分もすれば戻る。」

「えっ!?あ、あの・・・!」

市谷さんは、私の返事も聞かず、走って改札口へと向かって行った。


(怒られた後だし、なんか気まずいんですけど・・・。)


このまま一人で帰った方が、断然気は楽だけど。

ああ言われてしまった手前待たないわけにもいかない私は、言われた通り、改札を出たところで、小雨の降る街をぼーっと見ながら待っていた。

すると、本当に5分ほどで、市谷さんが戻ってきた。




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