守ってダーリン!
雰囲気のある薄暗い店内に、緊張と期待が高まってしまう。

ウェイターは私たちを店の奥まで連れてくると、「こちらです」と言って窓に向かって平行に並んだカウンター席を勧めてくれた。


(わ!)


「すごい!キレイですね!」

窓の外に広がる夜景。

この景色を見ながら、市谷さんと食事をすることが出来るなんて。

思わず身を乗り出して、外の夜景を眺めてしまう。

「・・・よかった。」

「え?」

「里佳が、喜んでくれて。」

市谷さんが優しく笑う。

その表情に、私は胸をキュンと鳴らす。

ホテルディナーということで、私もキレイめな格好をしてきたけれど。

カチッとした黒のジャケットを羽織っている市谷さんは、いつも以上にかっこいい。


(『住みよし』ももちろん楽しいけど・・・たまにはやっぱり、こういうところに連れて来てもらえるとうれしいな。)


そんなことを思いながら、運ばれてきた料理に手を伸ばす。

彼が頼んでおいてくれたコース料理は、どれもこれもおいしくて、「ほっぺたが落ちる」という表現が、まさにぴったりの味だった。

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