守ってダーリン!
(そうしたら、職場にだって近くなるし、なにより、もっと市谷さんと一緒にいられる時間が増えるかも。)


ぼんやりとそんなことを考えていると、渋滞を抜けてスピードを上げた彼が、横目で私に視線を向けた。

「里佳。」

「はい?」

考え込むような間をおいてから、市谷さんは表情を変えずに淡々と呟く。

「一緒に、暮らそうか。」

「・・・え?」


(一緒に、暮らす・・・?)


私は、なぜかその言葉の意味が理解できなくて、疑問を抱くような視線で、彼の横顔を見つめてしまう。

市谷さんは前を向いたまま、さらに言葉を繋げていく。

「結婚しないか、オレたち。」

「・・・・・・えっ?」


(結、婚・・・?)


時が止まったように、私の身体が固まった。

言葉の意味はわかっているのに、頭の中の理解が追い付かなくて、私は目を見開いたまま、市谷さんの横顔を見つめ続ける。

「誤解されたら困るから言っておくけど。

お姉さんのことを聞いたからって、単なる思いつきとか・・・軽い気持ちで言ったわけじゃない。

里佳とは・・・里佳を好きになった瞬間から、この子と結婚したいって、オレはずっと思ってた。」
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