守ってダーリン!
「・・・はい。あの・・・こちらこそ、よろしくお願いします。」

私が返事をすると、市谷さんは「はー」と大きくため息をつく。

「心臓、止まるかと思った。」

そう言って、両手でぐっとハンドルを握る。

信号待ちで車を止めると、私の右手を握り、頬にそっとキスしてくれた。

「やっぱり、今日はうちに来ないか。」

「え?」

「プロポーズした日に里佳を家に帰したら、一人で眠れる気がしない。」

薄暗い車内に浮かぶ、熱を帯びた彼の瞳。

切なげな目線を向ける彼に、抗えるはずなんてない。

「はい・・・。」

頷いて返事をした私の頬に、市谷さんはもう一度キスをする。

「ありがとう。」

満足そうに微笑むと、彼はウィンカーの向きを左に変えた。



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