守ってダーリン!
マンションの駐車場に車を止めると、市谷さんはエンジンを切って、前を向いたまま私に話しかけてきた。

「結婚したら、いちいち確認しなくても、いつも同じ家に帰って来れるな。」

呟くように言う彼に、私はドキンと胸を鳴らす。

「そうですね・・・。」

きっと、結婚したら当たり前になることだろうけど。

今は、別々の家に住んでいて、デートの帰りに、毎回帰る場所を確認している。

結婚したら、何も言わずに、同じ家に帰れるんだ。

二人の未来を想像すると、その行動はやっぱり特別で、とても幸せなことだと感じてしまう。

「里佳。」

シートベルトをはずした市谷さんが、私の頬に手を伸ばす。

「嬉しかった。プロポーズ、受けてくれて。」

街の光が届かない、二人だけの車内。

暗闇の中で近づいた彼の瞳は、優しくて甘くて、いつも以上に男らしくて、私の胸をドキドキさせる。

「私も、嬉しかったです。すごく・・・。」

そう返事をするのが精いっぱいで、私は彼を見つめ返す。

「本当に・・・ずっと、考えてたんだぞ。」

「えっ・・・?」

「里佳と結婚できたら、オレの幸せは確定だ。」

彼の親指が、私の唇をそっとなぞった。

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